この素材は、探しても採れない
ペイストの粗皮を調べに来た人の多くは、たぶん革細工師のレベルが38あたりで止まっている。
そして、こう思っているはず。どこで採れるんだこれ、と。
答えを先に置く。採れない。ギャザラーでは、一枚も手に入らない。
採集手帳に載っていない理由
園芸師で草をむしっても出ない。採掘師で岩を叩いても出ない。漁師は、まあ、言うまでもない。
この素材はモンスタードロップ限定。カテゴリでいえば皮革材。生き物の皮なんだから当たり前だろと言われれば、まったくその通りなのだが、クラフター一本で遊んできた人間ほど、この壁に正面からぶつかる。
皮革材だけが外に出される
FF14のクラフター素材は、たいていギャザラーで自給できる。木材も、鉱石も、魚も、野菜も、採りに行けば手に入る。
ところが皮革材だけは違う。獣を倒さないと、皮が剥げない。
つまり革細工師は、他のクラフターと違って、戦闘クラスを引っぱり出す必要がある職人。ここを設計として面白いと思うか、面倒だと思うかで、この先の付き合い方が変わってくる。
俺は最初、完全に後者だった。
狩り場は実質ひとつでいい
南ザナラーンのブロークンウォーター周辺
狙うのはサンドスキン・ペイスト。レベル28。
場所は南ザナラーンのブロークンウォーター周辺、座標でいうと19と11のあたり。リトルアラミゴの近く、と覚えてもいい。
ここが優秀なのは、敵の分布が密なこと。数歩あるけば次がいる。倒す、進む、倒す。この回転の速さがそのまま効率になる。
北ザナラーンのバジリスクという選択肢
もうひとつ、北ザナラーンのキャンプ・ブルーフォグ北側にいるバジリスク、レベル49からも同じ粗皮が落ちる。
ただし、こちらは敵と敵の距離が遠い。走る時間が増える。走っている時間は、粗皮を生まない。
どちらを選ぶかの基準
戦闘クラスがカンストしているなら、迷わず南ザナラーン。レベル28の敵なんて、どのジョブでも紙。
北を選ぶ理由があるとすれば、他の素材と一緒に集めたいときくらい。純粋に粗皮だけを積みたいなら、南で殴り続けるほうが早い。
使い道はペイストレザーと、イシュガルド復興
レシピの中身
ペイストレザーの素材は、ペイストの粗皮が1枚、ブラックアルメンが1個、土シャードが4個。
革細工師のレベル38あたりで解禁される、レベリング帯のど真ん中のレシピ。ここを通らないと先に進めない。だからこのタイミングで、多くの人が粗皮の壁にぶつかる。
ブラックアルメンという相方
そしてもう一つの素材、ブラックアルメン。こちらは採掘で拾える。南部森林のウルズの恵み。
つまりペイストレザーを1枚作るには、砂漠で獣を殴り、森で岩を叩き、それからようやく革を鞣す。三段構え。手間の総量でいえば、レベリング素材としてはなかなかの重さがある。
復興の革紐で需要が跳ねる
そして厄介なのが、この素材の第二の人生。
イシュガルド復興の革紐が、ペイストの粗皮を要求してくる。第二次、第三次、第四次。復興が動くたび、この低レベル素材が呼び出される。
レベリングでしか使わないと思っていた皮が、何年もあとに、まったく別の文脈で必要になる。FF14の素材って、こういう二段ロケットが多い。
レシピを開いた瞬間、手が止まった
採集手帳を三十分めくった夜
革細工師が38になった。レシピ帳を開く。ペイストレザーの文字。素材欄を見る。粗皮がゼロ。
まあいい、採ってくればいいだろう。そう思ってギャザラーに着替えて、採集手帳を開いた。
ペラペラ。ない。 検索。出ない。 エリア別で絞り込む。やっぱり出ない。
三十分ほど、俺は存在しない採集場所を探し続けた。マウスのホイールを回す指だけが動いていた。画面の光が目にしみてきたころ、ようやく現実を受け入れた。
これ、殴るしかないやつだ。
一撃で沈めても、皮は出ない
南ザナラーンに飛んだ。砂の照り返しが白い。
サンドスキン・ペイストを見つけて、ザクッと一撃。沈む。ドロップを確認する。
出ない。
次。出ない。その次。出ない。
ドロップ率は100パーセントではない。当たり前の話なんだけど、レベル28の雑魚を殴り倒すたびに手が空振りするのは、なかなか精神に来る。強すぎる自分が、逆にむなしい。
しかも敵が湧き直すのを待つ時間まで発生しはじめた。一撃で全部片づけてしまうから、湧きが追いつかない。
同じBGMが三周した。肩を回した。首がゴリッと鳴った。
必要な枚数を揃えたころには、外が薄っすら明るくなっていた…。
買うか、狩るか、拾わせるか
ここで冷静になる。手段は三つある。
マーケットは日によって顔が変わる
マケボで買う。これがいちばん早い。ギルさえあれば、数分で終わる。
ただし在庫と値段は日によってまるで違う。並んでいるときは薄利で並んでいるし、消えているときは影も形もない。
急ぎでなければ、値札を見て一度引くという判断も普通にアリ。
リテイナーベンチャーという静かな正解
そして、いちばん見落とされているのがこれ。
戦闘リテイナーに探索を頼めば、ペイストの粗皮を拾ってきてくれる。自分がログインしていない時間に、勝手に働いてくれる。
砂漠で夜通し殴っていたあの時間は、いったい何だったのか。知らないというのは、こういうことなんだと思う。
三つを混ぜるのがいちばん早い
結論としては、単独で選ばない。
リテイナーに常時仕込んでおく。足りない分をマケボで拾う。急ぎで大量に要るときだけ、自分で南ザナラーンへ走る。
この三本立てにしてから、粗皮で詰まったことは一度もない。
低レベル素材なのに相場が荒れる仕組み
レベリング勢と復興勢がぶつかる日
ペイストの粗皮は、モブドロップ素材としては安定して手に入るほう。それでも在庫が消える瞬間がある。
理由は単純。需要の出どころが二つあるから。
革細工師を育てている人と、イシュガルド復興を回している人。この二つの流れが重なった週は、マケボの棚から粗皮が一斉に消える。
在庫の薄い日に買わない
だから、棚がスカスカだった日に慌てて高値で拾うのは、いちばん損な動き方。
数日待てば、たいてい戻る。急いでいないなら、その待ちが数千ギルを守ってくれる。
低レベル素材ほど、値段が読めない。この逆転こそ、FF14の市場のいちばん面白いところだと俺は思っている。
朝、リテイナーの鞄を開いたら
積み上がっていた粗皮
リテイナーベンチャーの存在を知って、半信半疑で探索に出した翌朝。
ログインして、リテイナーの鞄を開いた。
ドサッ、と言っていいくらいの量の粗皮が入っていた。俺が砂漠で朝までかけて集めた枚数を、あいつは寝ている間に持って帰ってきていた。
画面を見つめたまま、しばらく何も操作できなかった。
殴る時間を、別のことに回せるようになった
それ以降、素材集めの考え方が変わった。
自分でやるべきことと、任せていいこと。この線引きができるだけで、遊べる時間の総量が増える。
FF14は時間を食うゲームだと言われる。実際そうだと思う。ただ、食われる時間の何割かは、知らなかっただけで浮かせられる。
粗皮という名前に込められた設計
戦闘と採掘とクラフトの掛け算
ペイストレザーを1枚仕上げるまでに、獣を殴り、岩を叩き、火にかける。
このゲームのクラフターは、ひとつの職の中で完結しない。他の職の成果を借りて、はじめて形になる。粗皮という言葉の手触りは、その仕組みをそのまま名前にしたようなものだと感じる。
粗いままの皮。誰かが殴って剥いできた、加工前の材料。
革細工師だけが、街の外へ出される
裁縫師は糸を紡ぎ、木工師は木を削り、錬金術師は鍋をかき混ぜる。彼らは街の中で生きていける。
革細工師だけが違う。獣のいる場所まで、自分で足を運ばないと商売が成立しない。
だから革細工師は、たぶんいちばん野蛮な職人。そう思ってからは、砂漠で無心にペイストを殴る時間も、ちょっとだけ悪くないものになった。
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