スターレイルを続けている理由を一つ挙げるなら、次の星に着いたときの空気の変わり方だ。
新しい世界に降り立つたびに、景色も音楽も住人の価値観も丸ごと入れ替わる。一つのゲームの中で全く違う物語を何本も体験しているような感覚があり、これが星巡りというコンセプトの強さだと思っている。
星穹列車で世界を旅する構造
スターレイルの物語は、星穹列車という列車に乗って様々な惑星を巡る形で進んでいく。
主人公は開拓者と呼ばれ、列車の仲間とともに各地の星に立ち寄り、その星で起きている問題に関わっていく。一つの星に滞在して物語を完結させ、また次の星へ向かう。この区切りの明確さが、長編でありながら章ごとに読み切れる構造を作っている。
世界を旅する形式のゲームは他にもあるが、スターレイルは星ごとの独立性が高い。文化・建築・音楽・抱えている問題まで、星単位で完全に作り分けられている。
宇宙ステーション、ヘルタ
物語の始まりの場所が宇宙ステーションのヘルタだ。
研究施設として機能しているステーションで、ゲームのチュートリアルを兼ねた序章の舞台になる。ここで主人公が目覚め、星穹列車の仲間と出会い、旅が始まる。
規模としては他の惑星より小さいが、物語の起点であり、その後も何度も戻ってくる拠点のような場所になっている。
ヤリーロⅥとベロブルグ
最初に訪れる本格的な惑星が、氷に閉ざされたヤリーロⅥだ。
この星の都市ベロブルグは、終わらない雪に覆われた世界で人々が生き延びている場所になっている。地上と地下で分断された社会、寒波と戦い続ける人々、その中で描かれる希望の物語が最初の章の軸だ。
初めてこの星のストーリーを終えたとき、スターレイルというゲームへの印象が決まった。ガチャゲームのおまけのシナリオではなく、一本のRPGとして読ませる物語だった。雪景色の表現と音楽の噛み合いも印象に残る星だ。
仙舟、羅浮
次に訪れるのが仙舟と呼ばれる巨大な宇宙船の艦隊、その一隻である羅浮だ。
中華風の文化と不死を巡る物語が描かれる世界で、ベロブルグとは何もかもが違う。建築は東洋的で、住人の寿命や死生観そのものが物語のテーマに組み込まれている。
惑星ではなく巨大な船という設定も独特で、艦内に広がる街や自然のスケール感に最初は驚いた。長く続く章のため滞在期間も長く、この世界のキャラクターには思い入れが深くなりやすい。
ピノコニー
夢をテーマにした星、ピノコニーは雰囲気がさらに大きく変わる。
ホテルを中心とした華やかな世界で、夢の中と現実が入り混じる構造の物語が展開される。ショービジネスのような煌びやかさと、その裏側にある謎が同居していて、ミステリーの色が濃い章になっている。
ここで音楽の方向性も一気に変わる。ジャズ調の楽曲が世界の雰囲気を作っていて、ベロブルグの荘厳さとも羅浮の東洋的な響きとも違う。星が変わると音まで変わるという体験を一番強く感じた世界だった。
オンパロス
その後の章で訪れるオンパロスは、ギリシャ神話をモチーフにした世界観の星だ。
神々と英雄の物語を思わせる構造で、これまでの星とはまた違う文明と価値観が描かれる。章を重ねるごとに物語のスケールが広がっていく感覚があり、星巡りの旅がどこまで続くのかという期待が膨らむ。
世界が増え続けるゲームであること
スターレイルはアップデートのたびに新しい星や世界が追加されていく。
ストーリーの中では、まだ訪れていない星の名前や設定が会話や資料の形で言及されることがあり、次の目的地への伏線として機能している。実装前の世界について憶測やリーク情報が出回ることもあるが、公式に実装されてから自分の目で確かめるほうが、初見の驚きを丸ごと味わえる。
新バージョンで新しい星に降り立つ瞬間は、このゲームで一番楽しみにしているタイミングだ。どんな文化で、どんな音楽で、どんな問題を抱えた世界なのか。降りてみるまでわからない感覚は、旅というコンセプトだからこそ成立している。
世界観を深く楽しむための歩き方
各惑星にはメインストーリー以外にも、世界観を補強する要素が散りばめられている。
フィールドに落ちている書物やテキスト、NPCとの会話、サブクエストで描かれる住人の生活。メインを追うだけでは見えない、その星の日常や歴史がこうした要素から立ち上がってくる。
急いで先に進むより、各惑星でサブクエストや探索に時間を使ってから次へ向かうほうが、星を離れるときの感慨が変わる。ベロブルグを発つとき、羅浮を後にするとき、その星で過ごした時間の分だけ旅立ちの寂しさがあった。
スターレイルの世界観は、星ごとに完結した物語と文化を積み重ねていく構造でできている。一つの星を深く味わってから次へ進む旅の形式は、長く遊ぶほど訪れた星の記憶が増えていく。次の停車駅がどんな世界なのかを楽しみに待てること自体が、このゲームを続ける理由になっている。
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