弾く、という能力
GKの育成画面を開いて、ディフレクティングという項目の前で止まっている人へ。
先に、この能力が何をしているのかを整理します。
語源はそらすこと
ディフレクティングの語源は、英語のdeflect。曲げる、そらす、という意味です。
つまり止めるのではなく、進路を変える。
シュートを正面で受け止めるのではなく、指先や手のひらを当ててコースをずらす。ゴールの外へ逃がす。
キャッチとは別の仕事
ここが理解の分かれ目になります。
強烈なシュートは、そもそもキャッチできません。抱え込もうとすれば弾いてしまうし、こぼれ球になれば詰められる。
だから触って軌道を変える。ゴールから逃がす。
サッカーの現場では、ディフェンダーがボールをブロックすることを指してこの言葉を使う場合もありますが、多くはゴールキーパーのプレーを意味します。
止める能力ではなく、逃がす能力。この認識を持ってから数値を見ると、扱い方が変わります。
ゲーム内で何が変わるのか
触れる範囲が広くなる
イーフットボールにおけるディフレクティングの効果は、明快です。
この数値が高いほど、セービングできる範囲が広くなる。
シュートに対して触れる範囲そのものが広がるので、遠いコースにも反応してセーブできるようになります。
つまりこれ、防御力の数値ではありません。射程の数値です。
同じ反応をしても、届くか届かないかが変わる。ばちん、と弾き出す場面と、指先をかすめて枠に吸い込まれる場面。その境目にいるのがこの能力です。
90以上、最低でも85
具体的な目安も出ています。
自チームで使うGKなら、ディフレクティングは90以上は欲しいところ。
低いと触れる範囲が狭くなるため、最低でも85に届くような育成がおすすめされています。
85と90。数字にすると小さな差に見えますが、届く届かないの境界にいる能力なので、体感には出やすい。
身長という代替手段
数値と体格が同じ役割をする
ここからが、この能力のややこしいところです。
ディフレクティングは高ければ高いほどいい。それは間違いありません。
ただし、身長の高い選手を起用することでカバーできる能力でもある。
考えてみれば当然でしょ。腕が長ければ、それだけ遠くのボールに届く。数値で射程を伸ばすか、体格で伸ばすか。到達点は同じところにある。
だから選手選びとセットになる
この構造があるせいで、育成の判断が難しくなります。
長身のGKを使っているなら、ディフレクティングに大量のポイントを注ぐ必要は薄い。
逆に、反応の速さや読みで勝負するタイプの小柄なGKを使うなら、ここを盛らないと届かない場面が出てくる。
数値だけを見て決められない。育てる前に、まず自分のGKの身長を確認してください。
優先度を鵜呑みにして後悔した話
記事の順番どおりに振った
僕がやらかしたのは、育成方針を丸ごと外部に預けたときでした。
GKの育成項目を眺めていて、どこから振るべきか分からない。それで攻略記事を開いた。
クリアリングとディフレクティングを含む枠は優先度が低い。そう書いてある。
(じゃあ後回しでいいか)
素直に従って、他の項目から埋めていきました。
指先が届かない試合が続く
しばらく使っていて、なんとなく引っかかる試合が増えました。
ペナルティエリアの外から、コースを狙って蹴られる。うちのGKが飛ぶ。伸ばした手が、するりとボールの手前を通る。
ネットが揺れる。
一回なら運です。三回続くと、さすがに考える。
リプレイを巻き戻して、同じ場面を何度も見ました。反応はしている。動き出しも悪くない。ただ、最後の数十センチが足りない。
コントローラーを置いて、舌打ちが出ました。
振り直した週末
週末に、育成方針を組み直しました。
ディフレクティングを引き上げて、同じ相手と同じような試合をする。
弾きました。
指先に当たって、ぱしっと角度が変わって、枠の外へ流れていく。あの音が返ってきたとき、拳を握っていました。
数字の意味を、頭では分かっていたつもりでした。分かっていなかった。届くかどうかを決めているのがここだと、体で理解したのはこの試合です。
優先度の議論は割れている
攻略側は低めと言う
クリアリングは他の数値が高くないと恩恵を受けにくい。ディフレクティングは身長でカバーできる。だから三つの育成枠の中では優先度を落としていい。
理屈としては筋が通っています。
使っている人の体感は違う
一方で、実際に使っているプレイヤーからは別の声も上がっています。
必要ないと思って後回しにしていたのに、上げてみたら反応が明らかに良くなった。他の数値が低めでも、ディフレクティングが九十台にある選手は使いやすい。
そういう報告が出てくる。
この食い違い、どちらかが嘘をついているわけではないと思うんですよ。
自分のGKの身長。よく食らう失点の形。試合中にどこまで前に出るか。条件が変われば、同じ数値の重みが変わる。
だから最終的には、自分の失点シーンを見返すのが一番確実です。届いていない失点が多いなら、ここを上げる価値がある。
現実のサッカーではどういう技術か
セカンドチャンスを与えない方向へ
ゲームを離れて、実際の競技における技術としても見ておきましょう。
ディフレクティングの要点は、ただ触ることではありません。
どこへ逃がすかです。
真正面に弾けば、詰めてきた相手に押し込まれる。ゴールライン際やコーナーへ流せば、セカンドチャンスを与えずに終わらせられる。
強いシュートをキャッチしきれないとき、コースを変えて外へ逃がす。この判断と当て方が技術の中身です。
座ったまま始める練習
練習法も面白い。
意識するのは手の出し方と、ボールへの当て方。ただし、すべて一瞬の判断で手足を動かす必要があります。
だから最初は座ったまま始めるそうです。自分の守備範囲にボールを投げてもらい、それに反応するところから。
立って飛ぶ前に、当てる感覚を作る。順番が逆じゃないんですね。
完全に防がない、という守り方
改めて考えると、この能力の思想が少し変わって見えてきます。
キャッチは、そこで終わらせるプレー。
ディフレクティングは、終わらせないプレー。失点を先送りして、味方に立て直す時間を渡す。
かっこよくはありません。抱え込んで試合を止めるほうが絵になる。
でも、届かないよりは触ったほうがいい。完璧に処理できないなら、せめて逸らす。
僕が失点を並べて見返したあの夜、映っていたのはずっと同じ光景でした。あと数十センチ。
その数十センチを買う数値が、ディフレクティングです。
なお、この手の能力の重みは環境や仕様の更新で動きます。育成に振る前に、最新のバージョンでの評価も一度確認してみてください。
そのうえで、まず自分のGKの身長を見るところから。
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