リリアンは、クレイモランにいない
探すべき相手はリリー
このクエストで話しかけるべき相手は、リリーという少女です。
リリアンの孫。
つまり僕らが探していた人物は、とっくに天寿を全うしている。だから城下町のNPCを片っ端から調べても、名前が出てこない。
武具屋の二階へ
場所は、クレイモラン城下町の武具屋。その二階です。
一階の店頭で買い物を済ませて帰る人が多いので、そもそも二階に上がったことがない人もいるはず。
階段を上がると、女の子が立っています。彼女がリリー。
クエストの受け方と流れ
依頼主はミリガン先生
クエスト名は、渡せなかった卒業証書。
依頼主はメダル女学園のミリガン先生です。学園の廊下、掲示板のあたりで見つかります。資料によって階数の記載が分かれているので、見当たらなければ館内を一周してください。
内容はこう。世界のどこかにいる、学園を退学してしまった生徒に卒業証書を渡してほしい。
受注すると卒業証書が手に入り、これを持って現地へ向かう形になります。
異変後に発生する
発生条件はひとつ。
命の大樹が崩壊したあとの世界であること。
つまり異変後。物語が最も暗い時期に、この小さな依頼が置かれています。
配置として、なかなか意地が悪い。世界がひっくり返っているときに、先生は何十年も前の生徒のことを気にしている。
機種によって居場所が違う
据え置き版は屋内
ここで、迷いやすい点をひとつ。
リリーの居場所は、遊んでいる機種によって違います。
PS4版とスイッチ版では、武器防具屋の二階。屋内です。
携帯機版は屋外
3DS版では、屋外にいます。武器屋と教会のあいだあたり。
同じクエストなのに、立っている場所が建物の中と外で入れ替わっている。
二階へ上がってから、動けなかった話
名前を探して城下町を三周
僕がこのクエストを受けたのは、異変後の世界を歩き回っていたときでした。
卒業証書を受け取って、まず名前で探そうとしました。
リリアン。
城下町の住人に片っ端から話しかける。宿屋。教会。道端。並んでいる名前を確認していく。
いない。
二周目に入って、三周目。(もしかして別の町か?)と疑い始めて、地図を開き直す。ふう、と息が漏れる。
少女の口から出た一言
階段を上がると、女の子が立っていました。
リリアンではありません。名前も違う。
話しかけると、あっさりと事情が説明されます。
おばあちゃんは、もう亡くなっている。
画面の前で、指が止まりました。
探していた相手が、最初からいなかった。三周も走り回ったのは、いない人を探していたからでした。
胸のあたりが、すっと冷たくなる感覚。ゲームでこういう気持ちになるとは思っていなかった。
それでも証書を差し出す
しばらく、そのまま二階に立っていました。
宛先のいない証書。それでも渡すしかない。
決定ボタンを押して、リリーに卒業証書を差し出しました。
彼女はそれを受け取ります。祖母の名前が書かれた紙を。
そのあとメダル女学園へ戻って、ミリガン先生に報告する。ここでクエストは完了です。
オニと呼ばれた先生の話
孫が語る、こわい先生
このクエストの本体は、実は報酬でも手順でもないと思っています。
リリーが語る話のほうです。
彼女は祖母から、メダル女学園の話を聞かされていました。あそこにはミリガンというオニがいる、と。
いたずらをすると、こわい顔をして追いかけてくる。とっても怖い先生。
孫にとっては、笑い話として伝わっている祖母の思い出です。
笑いながら話していたらしい
そしてリリーが付け加えます。
そのオニの話をするとき、おばあちゃんはいつも楽しそうに笑っていた、と。
ここで喉が詰まりました。
退学した生徒です。学園を最後まで通えなかった人。
その人が、追いかけてきた先生の話を、孫に何度も語って聞かせていた。しかも笑いながら。
一方のミリガン先生は、何十年経っても卒業証書を持ち続けていた。
お互いに、相手のことをずっと覚えていた。ただ、二度と会えなかった。
報告を受けたミリガン先生は、そろそろ教師を引退しようと思っていたけれど、リリアンの孫が入学するのなら、そんなことは言っていられないと口にします。
きっとおばあちゃんに似た、おてんばな子に違いない、とも。
引退を撤回する理由が、これ。
報酬は光の装備のレシピ
ひかりのタキシードとドレス
実利の話もしておきます。
クリア報酬は、光の装備のレシピというレシピブック。
これを読むと、ふしぎな鍛冶でひかりのタキシードとひかりのドレスが作れるようになります。
ひかりのタキシードは、主人公、カミュ、シルビア、ロウ、グレイグが装備できる服。しゅび力が67、みりょくが62上がり、二十パーセントの確率で受けた呪文をはね返す効果がつきます。
強化して+3まで持っていくと、しゅび力が75、みりょくが71まで伸びる。
呪文をはね返す効果は、終盤の戦いで刺さる場面があります。
必要になる素材
ひかりのタキシードの素材は、かがやきそうが二個、シルク草が二個、ひかりの石が二個、かがやきの樹液が二個。
四種類を二個ずつ。素材の要求としては素直な部類です。
みりょくが伸びるので、見た目重視で装備している人も多い。サブクエストの報酬としては、なかなかの当たりだと思います。
リリアンという名前について
ユリを意味する言葉
最後に、名前の話を。
リリアンはラテン語でユリを意味する単語です。欧州の文化圏では、女性の名前としても、ペットの名前としても使われる。
ユリという花が、この物語のどこに置かれているか。
考え始めると、少し止まります。
シリーズで繰り返される名前
そしてもうひとつ。
リリアンという名前は、ドラゴンクエストシリーズで何度か登場しています。DQ5では犬の名前として。DQ9とDQ11では人物として。
そして人物として登場するときは、どちらも作中ですでに故人です。
偶然かもしれません。ただ、同じ名前が繰り返し、会えない相手として置かれている。
そのことに気づいてから、僕はこのクエスト名をもう一度読み返しました。
渡せなかった卒業証書。
渡せなかった。過去形で、しかも完結している。タイトルの時点で、もう届かないことが決まっていた。
なお、リリアンが学園を離れた経緯や年代については、プレイヤーのあいだで時系列の疑問が挙がっています。孫がいる年齢との噛み合わせが気になる、という話。公式に整理された説明は見当たらないので、ここは各自の読み方に委ねられている部分です。
卒業証書は、誰に渡ったのか
改めて、このクエストの構造を並べてみます。
先生が、卒業証書を渡せないまま何十年も持っていた。
生徒は、その先生の話を笑いながら孫に語っていた。
そして異変後の世界で、僕らがその紙を運ぶ。
宛先の本人には、永遠に届きません。それでも証書は孫の手に渡り、先生は引退をやめる。
届かなかったものが、別の誰かに渡って、そこから何かが動き出す。
クレイモランは、雪と氷に閉ざされた土地です。あの寒い城下町の、武具屋の二階。装備を買いに来ただけなら、絶対に上がらない階段。
そこに、この話が置かれている。
リリアンを探して三周した時間は、無駄ではなかった気がしています。探すという行為そのものが、たぶんこのクエストの一部でした。
まだ受けていない人は、卒業証書を持って階段を上がってみてください。
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