まず行き方から
困っている人が多いはずなので、先に道順を書きます。
白の入り江から北西へ
メダチャット西の島は、白の入り江から船で北西に進むと見えてくる小島です。
正式名称はメダチャット地方・西の島。3DS版では、これを略してメダチャット西の島と表記されています。
白の入り江の北に浮かんでいる、小さな島。
水門を開けていないと辿り着けない
ただし、白の入り江へ行くには、ソルティコの町で内海の水門を開ける必要があります。外海に出られるようになって、はじめて到達できる場所です。
まだ水門を開けていないなら、そちらを先に。ストーリーを進めれば自動的に開きます。
つまりこの島、ストーリーには一切干渉しません。行かなくても物語は進む。クエストを依頼してくるNPCもいない。合言葉ヨッチもいない。
行かなくていい島です。
ルーラが効かないという一点
一度訪れても登録されない
ここがこの島の最大の特徴です。
一度訪れても、ルーラの行き先には登録されません。
ドラクエをやってきた人なら分かると思いますが、これはかなり異例。普通、行った場所には飛べる。それが当たり前だと思って移動計画を立てている。
この島だけ、それが通用しない。来るには毎回、船を出す必要がある。
後で来ようが、そのまま忘却になる
そして、後述しますがこの島には初回では開かない扉があります。
開かない扉がある。しかし戻るには船しかない。
この組み合わせが何を生むか。
(あとで鍵を手に入れたら来よう)
そう思ってメニューを閉じた瞬間、この島は記憶から消えます。ルーラのリストに名前が残らないから、思い出すきっかけがない。
僕は消しました。見事に。
島にあるもの
カギのかかったほこらが二つ
島には、カギのかかったほこらが二つあります。
最初に訪れた時点では、どちらも開けられません。扉の前に立って、反応がなくて、そこで一度がっかりする。
これがこの島の初回体験です。
はやぶさの剣というご褒美
そのうちの赤いトビラは、まほうのカギを入手すると開けられるようになります。
中身は、片手剣のはやぶさの剣。
ドラクエをやってきた人にとっては説明不要の名前でしょ。シリーズを通して顔を出し続ける、あの剣です。
さらに3DS版では、過去に戻ったときに最後のカギの宝箱があり、はぐれメタルよろいが手に入る。
それから、異変後以降に海底王国ムウレアでクエスト「海底裁判 ただいま開廷!」を受注してからこの島を訪れると、先輩弁護士の判例集が入った宝箱が見つかります。
行かなくていい島のわりに、置いてあるものが地味に濃い。
まほうのカギを手に、船を出し直した話
開かなかった赤い扉
僕が初めてこの島に上陸したのは、外海に出てすぐの頃でした。
地図に見慣れない島影があると、とりあえず寄る。そういうプレイスタイルです。船を寄せて、砂浜に降りて、島を一周した。
ほこらを見つけて、扉に近づいて、押した。
開かない。
(鍵か)
その時点でメニューを開いて、まほうのカギを持っていないことを確認して、船に戻りました。ため息をひとつついて、舵を切って、次の目的地へ。
ここまでは正しい判断だったと思う。問題はこの後です。
忘れていた数十時間
その後、僕はまほうのカギを手に入れました。
そして、この島のことをまるっと忘れました。
ルーラのリストに名前がないから、移動画面を開いても思い出さない。クエストの一覧にも出てこない。ストーリーの導線からも外れている。
思い出すトリガーが、どこにもなかった。
気づいたのは数十時間後、他の場所の宝箱を回収していて、ふと地図を眺めていたときです。白の入り江の北に、ぽつんと島影がある。
椅子の背に沈み込みました。
(あーーーー)
声が出た。開かなかった赤い扉の映像が、そこでやっと戻ってきた。
もう一度あの海路を行く
仕方なく船を出しました。
ルーラで近くまで飛んで、港へ行って、乗船して、北西へ。ざぶんと波を切りながら、あのときと同じ海路をなぞる。
不思議なもので、この二度目の航海が妙に気持ちよかったんです。
一度目は通りすがりだった。二度目は、目的地としてこの島に向かっている。同じ海、同じ島影なのに、意味が変わっている。
上陸して、扉を開けて、はやぶさの剣を回収して、しばらくその場に立っていました。
面倒な仕様だと思っていたのに、いつのまにか納得していた。
機種によって別の島になる
PS4版は平坦な小島
この島を調べていて、もうひとつ厄介な点に気づきました。
機種によって、島の構造がまったく違うんです。
PS4版は、なんの変哲もない小さな島。東寄りに小屋があって、そこで無料で休むことができる。それだけ。
3DS版は小島が点在する
一方3DS版は、岩山に囲まれた土地に、さらに小島が点在している構造になっています。
小島の間はビーライダーに乗って移動する。3Dモードでは気流を利用する。
まるで別の場所でしょ。
DQ11Sは各モードの移植元機種に準じるため、どのモードで遊んでいるかによって見える景色が変わります。
クリア後に評価が変わる場所
うさぎのしっぽとゴールドオーク
面白いのは、この島がクリア後に別の顔を見せることです。
出現するモンスターに、うさぎ系が含まれている。うさぎのしっぽを集めたいプレイヤーにとって、ここは効率のいい狩場になります。
さらにゴールドオークが金のかけらと槍を落とす。金策の場としても機能する。
近くに休める場所があるのも噛み合っていて、粘るのに向いている。レベル上げにも一応使える。
ストーリーに絡まないから、逆に何度でも同じ条件で回せるんですよ。
転生モンスターという当たり
そしてもうひとつ、ゴールデンコーンの存在。
これはアルミラージの転生モンスターとして出現します。異変後はアルミラージ・邪の転生モンスターという扱い。
転生モンスターが出るというだけで、狩場としての格が上がる。粘る理由になる。
行かなくてもいい島が、クリア後には行きたい島になっている。
寄り道が寄り道のままである価値
改めて整理すると、この島の設計はけっこう極端です。
ストーリーに干渉しない。クエストNPCがいない。ヨッチもいない。ルーラで飛べない。初回では扉が開かない。
親切さの逆をいっている。
でも、だからこそ残るんだと思うんですよ。
ルーラで一瞬で飛べる島だったら、僕はあの二度目の航海をしていない。開かなかった扉を覚えてもいない。船を出し直して、波を切って、砂浜に降りるまでの数分がなければ、はやぶさの剣はただの装備品でした。
不便が記憶を作る。
最近のゲームはどんどん快適になっていて、それ自体はありがたい。移動が速いのは正義です。ただ、たまにこういう不便が残っている場所に当たると、ちょっと嬉しくなる。
白の入り江の北に、名前もそっけない小島がある。
行かなくていい島です。だから行くと、けっこう残ります。
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