星4で攻撃力1900。この数字だけを見せられたら、誰だって強いカードだと判断します。当時の下級としては上限に近い水準ですから。
ところが実戦で見かけない。
数字だけなら破格の下級
星4で攻1900という立ち位置
光属性、雷族。レベル4で攻撃力1900、守備力800。
同じ枠に並ぶカードと比べても、攻撃力の数字は上位に食い込みます。素の戦闘力で負ける相手が少ない。ここまでは文句なし。
支払う代償が重い
問題は条件のほう。自分の場に光属性以外の表側表示モンスターがいると、このカードは壊れます。自分から自分を壊す。
つまり、デッキ全体を光属性で染めろという要求。1900という数字は、その代償として支払われている。
一枚だけ強いカードを差すという遊び方ができません。採用した瞬間、デッキの設計思想そのものが縛られる。ここが敬遠される最大の理由です。
永続効果として働く
公式の裁定も確認しておきます。この破壊は永続効果として扱われる。
光属性以外の表側表示モンスターが自分の場に1体でも並んだ時点で、即座に適用されて自壊する。タイミングを待ってくれません。ダメージステップの最中に条件が満たされた場合も同じく適用されます。
戦闘によって裏側のモンスターが表になった、というケースでも引っかかる。事故の入口が思っている以上に多い。
昔はもっと厳しかった
当初は、光属性以外が自分の場にいる状況では、そもそもフィールドに出すことができない扱いでした。加えて、後から光属性以外が並んだ場合には破壊される。
現在は出すこと自体は認められ、条件に触れたら壊れるという形に整理されています。結果として盤面に残らない点は同じ。
それでも、出せない状態と出したうえで壊れる状態では、カードの動かし方が変わります。
どこまで許されて、どこから崩れるか
出すこと自体は止められない
意外と誤解されている点。光属性以外が並んでいる状態でも、召喚や特殊召喚を行うこと自体は可能です。
ただし場に出た直後、条件に触れて自壊する。つまり出せるけれど残らない。手札から消えて墓地へ直行、という悲しい流れになります。
裏側なら助かるのか
条件文が指しているのは表側表示のモンスター。だから裏側で伏せてある分には、直ちに引っかかりません。
とはいえ相手が攻撃してきて裏側が表になれば、その瞬間に巻き込まれる。恒久的な避難所にはならないわけです。
事故の起き方は一定していない
厄介なのは、自分の行動だけが原因ではないところ。相手のカードによって自分の場に光属性以外が送り込まれる状況も起こり得ます。
自分で気をつけていても崩れる。この不安定さが、実戦投入をためらわせる要因になっています。
それでも使うための組み方
デッキを光属性で統一する
正攻法はこれ。最初から全部を光で揃えてしまう。
条件を縛りとして受け取るのではなく、構築テーマとして受け入れる考え方です。光属性のカードプールは決して狭くありません。むしろ選択肢は豊富なほう。
一枚のために全体を寄せるという発想は非効率に見えます。ただ、統一されたデッキには独特の動きやすさが生まれる。そこを楽しめるなら、この縛りは足枷ではなくなります。
引っ張ってくる手段を用意する
デッキから手札へ加える手段や、手札から場に出す手段が存在します。雷族や光属性をサポートするカードの中に、噛み合うものがある。
素引き頼みだと安定しません。回収と展開の経路を用意しておくと、ようやく戦力として計算できるようになります。
相手に押しつけるという発想
面白い使い方もあります。コントロールを入れ替えるカードで、相手の場へ送り込むという手。
自壊条件は所有者ではなく、場にいる側の状況を見ます。相手の場が光属性で統一されていることは、まずありません。渡した瞬間に壊れる可能性が高い。
デメリットを武器に反転させる。この発想が成立する時点で、このカードは単なる弱いカードではないと分かります。
何枚積むかで性格が変わる
構築の話をもうひとつ。3枚積むと、手札に複数抱えて動けなくなる場面が出てきます。壊れる前提のカードを厚く入れても、事故率が上がるだけ。
とはいえ1枚だと引けません。回収手段を用意できないなら、2枚あたりが落としどころになるでしょう。
どこまで主役に据えるか。ここを決めてから枚数を触ると、迷いが減ります。
光で組んだら事故が止まらなかった話
憧れだけで組み始めた
イラストが好きでした。それだけの理由で、デッキを一から作り直したんです。手持ちのカードを全部机に広げて、光属性だけを抜き出していく。
ズラッと並べてみると、思っていたより数がある。これならいけるでしょ、と軽く考えました。
一戦目で心が折れかける
回してみたら、まったく違った。相手の効果で送り込まれたモンスターが場に居座り、次のターンには娘々が消えている。
自分は何もしていない。何もしていないのに壊れる。(え、今の何?)画面を二度見しました。
そこから3戦連続で同じ形。指先が冷たくなって、シャッフルする手が雑になっていく。攻1900は一度も殴らないまま墓地へ行きました。
割り切ったら、少し楽しくなった
数日後、考え方を変えました。守るのではなく、壊れる前提で組む。
墓地へ送られる流れを利用する構築に寄せて、退場そのものを織り込む。すると、あの自壊が急に理にかなって見えてくる。壊れて困るカードから、壊れて回るカードへ。
無理に生かそうとしていた頃より、勝率も気分も上がりました。カードを評価する軸は一本じゃない。当たり前のことを、遠回りして理解した気がします。
出自とイラストの話
もとはゲームオリジナルのカード
このカード、最初から紙で登場したわけではありません。紙とはルールが異なる遊戯王のゲームソフトに用意されたオリジナルカードが出発点。
そこから実物のカードとして収録される流れをたどっています。設定や語り口も、そのゲーム側で作り込まれたものが下敷きになっている。
雷神の娘という設定
名前の通り、雷の神の娘という位置づけ。語尾に妙な癖のある喋り方をするキャラクターとして描かれていました。
戦闘力の数字だけを追いかけていると、こういう背景は完全に視界の外へ落ちます。カード名の並びを眺めて、由来を調べてみると印象が変わる。この寄り道、けっこう好きなんですよ。
海外版では姿が変わる
もうひとつ。海外で流通しているバージョンでは、イラストに修正が入っています。露出を抑える方向の調整。
同じカードなのに、地域によって見た目が違う。収集の対象として見ると、この差異そのものに価値が出てきます。
相場と、今の価値
実用の需要はほぼない
大会で使われるカードではありません。だから価格も落ち着いています。通常のレアリティなら、数十円から数百円の範囲で見つかる。
集めるハードルは低い。手を伸ばしやすい価格帯です。
レアリティによって別世界
ただし例外があります。特殊な仕様のものになると、価格が跳ね上がる。数千円から万単位の値が付くこともある。
同じ絵柄、同じ効果。それでも刷りの違いだけで桁が変わってしまう。トレーディングカードという遊びの本質が、こういうところに出ています。
買う前に見ておきたい表記
探すときは、カード名だけで検索しないほうがいい。収録された弾やレアリティの記号まで確認する。
同じ名前で複数の版が並んでいるので、安いと思って開いた先が別の刷りだった、という取り違えが起きます。通販ページの型番欄を一度見る。それだけで防げます。
状態の記載も要チェック。古い弾のカードは、白かけや反りが出ているものが混ざります。
弱いカードを愛でるという選択
強さで選ぶなら、このカードが手元に来ることはありません。それでも欲しくなる人がいる。
自壊するデメリット、成立しにくい条件、それでも高い攻撃力。ちぐはぐな設計が、逆に記憶に残る。デッキに入れなくても、一枚持っておきたくなる。そういうカードが、シリーズには確かに存在します。
コメント