これはモンクの装備ではない
まず、ここから片づけたい。
マーシャルアーティスト。武術家。格闘家。名前だけ見れば、どう考えてもモンクや格闘士のための装備に見える。
名前だけで誤解される装備
これはジョブ装備でも、レイド装備でも、討滅戦の報酬でもない。
パッチ6.5で実装された、暁月最後の宝の地図おしゃれ装備。つまり、性能ではなく見た目のために存在している服。
中身は完全な普段着
じゃあ何かというと、ベストとゆったりしたパンツと、パンプス。
拳を鍛える戦士の防具というより、ジムの帰りみたいな格好。というか、トレーニングウェア。武術家という名前がついているのは、たぶんイメージの出発点がそこにあっただけ。
誰でも着られるという最大の強み
そして、ここが効いてくる。
ジョブに縛られない。白魔道士に着せてもいい。竜騎士に着せてもいい。ミラプリの棚に置いておけば、どのキャラでも引っぱり出せる。
わたしがこの装備に手を出した理由も、結局そこだった。
セットは4点。頭も手もない
胴が2種類あるという贅沢
胴が、マーシャルアーティスト・ベストと、マーシャルアーティスト・スリーブレスベスト。袖のあるほうと、ないほう。
これ、地味に大きい。同じ系統で二つの表情が用意されている装備セットって、そんなに多くない。露出のさじ加減を、自分で決められる。
脚と足で完成する
脚がマーシャルアーティスト・スロップ。足がマーシャルアーティスト・パンプス。
頭はない。手もない。だから、頭と手は別の装備で埋める必要がある。
混ぜて使う前提のセット
これを不便と取るか、自由と取るか。
わたしは自由だと思っている。全身が一式でガチッと固まる装備は、確かに楽。でも、他と混ざらない。
このセットは、上下だけがある。残りの余白を自分で埋めろ、と言ってくる。ミラプリで遊びたい人間にとって、そういう服は歓迎しかない。
詰まるのはアスレーテースクロスだけ
全部そろえても4枚でいい
このセットの入手を難しくしているのは、レア素材のアスレーテースクロス。ここ一点。
そして朗報。四点すべてを作っても、必要なのは4枚だけ。
胴も脚も足も、それぞれ1枚。数十枚集めろ、みたいな地獄ではない。
出どころは宝の地図の宝物庫
アスレーテースクロスが出るのは、古ぼけた地図G14とG15。その先にある宝物庫のレアドロップ。
つまり、地図を掘って、宝物庫に潜って、運が良ければ手に入る。運が悪ければ、手に入らない。
シンプルで、残酷。
残りの素材は普通に手に入る
ちなみに、他の素材はそこまで身構えなくていい。
ガーネットコットン。ソフトシルバーインゴット。デュナミスシャード。それから雷と風のクラスター。
元をたどれば、軟銀鉱、ラザハンコットン、サベネアンフラックス、マグヘマイトあたり。ギャザラーで採るか、マケボで買うか。どちらでも詰まらない。
だから、この装備の難易度はアスレーテースクロスの一点勝負。ここさえ抜ければ、残りは作業。
掘るか、買うか
実装直後の相場は目を疑った
実装されたばかりの頃、アスレーテースクロスはマケボで1枚50万ギルほどした。
50万。1枚で。
四点そろえるなら、素材だけで200万ギルが飛んでいく計算になる。あの数字を見たとき、マウスのホイールを止めて、しばらく画面を眺めていた。
地図装備は、待てば落ちる
でも、ここで焦らない。
宝の地図の装備素材は、時間が経つほど値段が落ちていく。掘る人が増え、供給が積み上がり、熱が冷める。実装直後がいちばん高い。
急いでいないなら、待つ。それだけで数十万ギルが浮く。
新素材が出ると古い素材が沈む
さらに面白いのが、この市場の性質。
新しいパッチで新しい地図素材が追加されると、それまでの素材が一斉に値を下げる。みんな新しいほうを掘りに行くから、古いほうが余る。
つまり、次のおしゃれ装備が来るタイミングは、前のおしゃれ装備を安く仕上げるタイミングでもある。この波を読めるようになると、ミラプリ道の懐がぐっと楽になる。
地図を回して、一枚も出なかった夜
宝箱が開くたびに息を止めていた
素直に買えばよかった。でも、あの日のわたしは掘りたかった。
フレンドを集めて、地図を持ち寄って、宝物庫へ。
パカッ、と宝箱が開く。中身が並ぶ。目が勝手にアスレーテースクロスの文字を探す。
ない。
次の部屋。パカッ。ない。次。ない。
チャット欄が、だんだん静かになっていく。誰も出ないと言わなくなる。言わなくても分かるから。
マケボの検索画面を、そっと開いた
八枚。八枚回して、ゼロ。
最後の宝箱が閉じたとき、スカッと空気だけが残った。フレンドが気を遣って、また今度やろうと言ってくれた。その優しさが、いちばん刺さった。
その夜、ひとりでマケボの検索画面を開いた。指が止まる。買う。買ってしまえば終わる。
結局、その日は買わなかった。悔しかったから。翌週に買った。悔しさより着たい気持ちが勝った…。
掘る楽しさと、買う速さ。この二つは、たぶんずっと仲が悪い。
製作はそこまで身構えなくていい
高品質を確定させる抜け道
素材さえそろえば、あとは作るだけ。
ここでよく聞かれるのが、高品質で作れるかどうか。ミラプリ用なら品質を気にしなくていい場面も多いけれど、せっかくなら綺麗に仕上げたい。
素材をひとつだけ高品質にする
その答えが、素材の一部を高品質にすること。
ガーネットコットンかソフトシルバーインゴット。どちらかを高品質にして持ち込むだけで、開始時点の品質がぐっと乗る。
マクロを組んで髪をかきむしる前に、マケボで高品質の素材をひとつ買う。ギルで解決できる問題は、ギルで解決したほうが早い。これはクラフターをやるほど身に染みてくる。
なぜこの服がここまで刺さるのか
ファンタジーの街に、トレーニングウェア
エオルゼアの装備って、基本的に大げさ。金属の鎧、羽根、宝石、ローブ。世界観として当然なんだけど、ずっと着ていると、ちょっと疲れる。
そこに、この服。
ベストとパンツとパンプス。装飾がほとんどない。魔法の輝きもない。ただの、服。
石畳の街に、ジム帰りの服で立っている。この異物感が、たまらなく良い。
生活感が、キャラを人間に戻す
戦って、討滅して、世界を救って。そのあいだ、うちのキャラはずっと戦闘服を着ていた。
ふわっと着替えさせた瞬間、鏡の中の人物が急に生活を持ちはじめた気がした。ご飯を食べて、寝て、たまに運動する人間の顔になった。
英雄が英雄をやめる時間。ミラプリって、たぶんそれを作るための機能なんだと思う。
買うタイミングの結論
いま着たいなら買っていい
ミラプリは、着たいときに着るのがいちばん価値がある。
半年待って安く手に入れても、その半年ぶんの写真は撮れない。素材が高いから諦める、という判断は、意外ともったいない。
掘るのは、掘るのが好きな人の遊び
逆に、地図を回すこと自体が楽しいなら、掘ればいい。八枚外して落ち込むのも含めて、あれはあれで遊びだった。
効率だけを見るなら、買う。思い出まで含めるなら、掘る。
どちらが正しいかは、たぶん、その装備を着てどこへ行きたいかで決まる。
コメント