夢幻の森を何周走っても、あいつだけが姿を見せない。地図を開いて、閉じて、木の陰まで覗き込む。いない。え、バグ?本気でそう疑ったのが3晩前のこと。原因は探し方じゃなかった。時計だったんです。
見つからないのは腕の問題ではなく、時間の問題
夜になった瞬間に走り込んでも空振りする
インキュバスは夜限定。ここまではすぐ分かる。つまずくのはその先。夜に切り替わった直後には、まだ湧いていません。
夜が始まってからおよそ12分。そのあたりでようやく現れ始めるという報告が多い。そして夜明けが近づくと、すうっと引いていく。会える窓はだいたい15分から20分。夜36分が丸ごと狩り時間になるわけじゃないんですよ。
夜が来た、行くぞ、と勢いよく駆けつけて、誰もいない森をぐるぐる回る。この空回り、探している人はほぼ全員が一度は踏んでいるはず。
アストルティアの1日は72分で一周する
昼が36分、夜が36分。合わせて72分でこの世界の1日が終わる。現実の3分がゲーム内の1時間に相当する計算です。
裏を返せば、しくじっても次の夜まで36分。永遠に待つわけじゃない。ただしその36分は完全に手持ち無沙汰になる。だから1回の夜をどう使い切るかで、この探索の疲れ方が決まってきます。
カラスとニワトリが時報の代わりになる
地図を開くと右下に時間帯のアイコンが出ます。今が朝寄りか夜寄りか、ここで読める。
もっと直感的なのが音のほう。昼の終わりが3分前まで迫るとBGMが消えて、カラスが鳴き出す。カアカア、と。あれが聞こえたら夜が近い。逆に夜の終わり3分前にはニワトリ。この声が耳に入った時点で、インキュバスはもう消えかけている。
音で時間を測る。地味な話に見えて、これを覚えてから森での動きが変わりました。
夜限定の敵は、湧き方に癖がある
夜になれば必ずそこにいる、という単純な作りではありません。敵ごとに湧き始めのタイミングが違う。夜になって9分ほどで現れ、23分あたりで消えていくタイプもいれば、もっと遅れて動き出すタイプもいる。
インキュバスは後者寄り。だから夜の入り口で見つからなかったとしても、それは不在の証明になりません。粘る価値があるのは夜の中盤。ここを知らずに序盤だけ探して諦めると、永遠にすれ違い続けます。
遭遇率を上げる小物では解決しない
珍しい個体を狙うときに使う類の装備を持ち出して、これで出やすくなるはずと粘る人がいます。方向がずれているんですよ。あれは特別な個体に当たる確率へ働くもので、夜限定の湧き時間そのものを動かす道具ではない。
出ないのは確率が渋いからではなく、その瞬間にまだ存在していないから。原因の置き場所を間違えると、装備をどれだけ整えても空振りが続きます。
出現場所は夢幻の森、橋を渡った先
森までの道のり
エルトナ大陸、カミハルムイ領北から夢幻の森へ抜けます。一度でも到達している場所なら、捨てられた城の前まで直接飛べるので往復がぐっと軽くなる。
夜の猶予が短い以上、移動時間そのものが敵。目的地の手前で夜を待つ、この段取りだけで成功率が変わります。
森のどのあたりに湧くのか
定番の目撃情報はG-5付近。橋を渡った先の開けた一帯を意識して回ると当たりやすい。加えて、D-5に大きな木が2本立っているあたりの出現率が高い。
数は多くありません。単体で立っていることがほとんどで、サブナックを連れているパターンもある。ざわざわした群れの中から探すのではなく、ぽつんと1体を見つける感覚に近い。
トガス岩道にもいる
生息地は森だけじゃない。トガス岩道にも出ます。素材目的ならどちらでも構わないけれど、職業クエストの案内が指しているのは夢幻の森。ここは素直に従ったほうが早い。
夜を待つ36分の使い道
一度外すと、次の夜まで36分。この待ち時間を空白のまま眺めていると、それだけで気持ちが削れていきます。
森の周りで素材を拾う、日課を回す、装備の付け替えを済ませておく。何かしら手を動かしておくと、待ちが準備に変わる。同じ36分でも、体感の重さがまるで違ってくるんですよ。
手分けすると成功率が跳ね上がる
夜の猶予は短い。ひとりで森を一周する間に窓が閉じることもあります。2人で担当エリアを割れば、単純に探索範囲が倍。見つけた側が合図を出せば、残り時間を丸ごと戦闘に回せる。
同じ場所で詰まっている冒険者は今も一定数いる。近くに人影を見つけたら、声をかけてみる価値はありますよ。
トラマナ石はヒャドでトドメを刺したときだけ落ちる
クエスト065の流れをざっくり
依頼主は港町レンドア南の宿屋にいる宿屋モルテン、座標はG-4。宿に泊まるとイベントが動き出します。
受注条件は魔法使いのレベルが45以上あること、そして、はじめてのオフ会をクリアしていること。名声は137。
森の奥の捨てられた城へ向かい、E-6の従者の館へ。中に入って裏側の扉を開けるとイベントが進む。廊下をぐるりと回り込む構造なので、初見だと入口を探して立ち往生しがち。
そこで結界に阻まれる。解除の鍵がトラマナ石。落とすのは、夜にだけ現れるインキュバス。ここで話が冒頭に戻ってくるわけです。
ここで沈む人が本当に多い
条件はヒャドでトドメ。通常攻撃で削り切っても石は出ません。メラでもイオでもない。ヒャド。
魔法使いなら当然ヒャドは持っている。落とし穴は別のところにある。テンションが乗って、つい強い呪文を撃ってしまうこと。残りHPを見誤って、上位呪文でまとめて吹き飛ばす。あ、と声が漏れる。そしてまた36分。
名前の色を見て切り替える
ドラクエ10ではモンスターの名前の色でおおよその残りHPが読めます。オレンジに変わったら終盤の合図。そこからはヒャドだけを連打すればいい。
逆に言えば、色が変わるまでは何で殴っても問題ない。制限時間との勝負なので、序盤は遠慮なく火力を出していい。抑えるのは最後のひと押しだけ。
石を渡した先に待っているもの
結界を解いたら港町レンドア南の宿へ戻り、もう一度泊まる。そこでイベントが動いてクリアとなります。
初回報酬は魔法使いの必殺技ミラクルゾーン。呪文を主軸に据える職として、手札が一枚増える意味は大きい。ここを取りたくて夜の森に通っている人がほとんどでしょ。
再挑戦した場合の報酬はまほうのせいすいが2個。周回して稼ぐ性質のクエストではないので、勝負は最初の1回に絞られます。
3晩を溶かしたあの週末の話
1晩目、夜になった瞬間に全力で走った
夜のBGMに切り替わった音を聞いて、椅子の上で前のめりになった。橋を渡る。誰もいない。G-5へ。いない。D-5まで足を伸ばす。やっぱりいない。
10分ほど走り回ったところで、ニワトリの声。は?もう朝?画面が白み始めて、森の空気が変わっていく。この時点では、出現が夜の後半に寄っていることをまったく知らなかった。
2晩目、見つけた3秒後にやらかす
翌日の夜、木の脇にぽつんと立っているのを発見。心臓が跳ねた。マウスを握る手のひらがじわりと湿る。
そこからが情けない。テンションが上がりきったまま、いつもの手癖で上位呪文を叩き込んだ。相手の名前がオレンジになっていたことに、撃ってから気づく。光が消えて、地面に落ちたのは石ではない別の何か。
しばらく画面を見つめたまま動けなかった。舌打ちが出た。
3晩目、踊らされている間に夜が明けた
対策として、今度は最初からヒャドだけで削ることにした。これがまた裏目に出る。
魅惑のおどりを食らって、こちらの動きが止まる。復帰しても、また踊らされる。じりじりとHPだけが減っていく。削りきる前に空が明るくなって、相手はすっと消えた。
4晩目、順番を逆算してようやく届いた
失敗を並べて気づいたのは、必要なのは腕でも運でもなく段取りだったということ。
夜が来る前に森へ入る。橋の手前で待機して、夜が始まったら12分を数える。そのあいだに周辺の雑魚を片づけて、心の準備をしておく。見つけたら序盤は好きな呪文で削って、名前がオレンジに変わった瞬間にヒャドへ切り替える。
この順番に整理したら、あっけないほど普通に終わりました。トラマナ石がインベントリに入った瞬間、背中の力がすとんと抜けたのを覚えている。3晩の遠回りは何だったんだ…(笑)
魅惑のおどりとまくら投げへの備え
踊り対策があるだけで事故が減る
インキュバスは魅惑のおどりを使ってきます。動けない時間が積み重なると、短い夜が一気に溶ける。
きょくげいスキルのツッコミを覚えている仲間がいれば、踊りから引き戻せます。サポート仲間の構成を組み替えるだけで、体感の安定感がまるで違ってくる。ソロで挑むなら、この一手が効きます。
眠りの枕にも注意
まくら投げには眠りの効果が乗っている。寝かされた状態で放置されると、こちらもまた時間を失う。
短期決戦を意識するなら、状態異常への耐性を少しでも積んでおくと呼吸が楽になります。長引かせないこと、これが一番の対策。
モンスターとしてのインキュバス
夢から来た怪人系
分類は怪人系。人型のバクのような姿で、夢の世界からやってきた妖怪という設定になっています。オレンジ色の肌に白い着物、そして薄紫の枕。抱えている枕がそのまま武器になるのが、なんとも間抜けで可愛い。
名前の由来は夢魔。人の夢に入り込む悪魔で、女性の姿を取れば別の呼び名になる。ドラクエ10のインキュバスは、他人の夢に潜り込んで勝手に夢占いをして、その結果を押しつけてくるお節介者だとか。悪意より迷惑寄り、という距離感がいい。
落とすもの
通常ドロップはゆめみの花。レアドロップはイエローアイ。
ゆめみの花はランプ錬金のギルド依頼で使う場面があり、昔からよく狩られてきた素材です。トラマナ石を取りに行ったついでに集まっていく形になるので、クエスト中の戦闘も無駄にはならない。
近縁のモンスターたち
下位種にゆめにゅうどう、上位種にドッグラマッコイやナイトメーアがいます。さらにボス格として、バッドメーアやあくむにゅうどう、センといった面々が控えている。夢に関わる一族が、きちんと系譜として組まれているわけです。
枕を投げる怪人から悪夢の名を冠したボスまで、同じ発想を膨らませて並べていく作り方。こういう積み方に気づくと、図鑑を眺める時間が急に楽しくなる。
こうして並べてみると、単なる夜限定の面倒な敵ではなく、世界観の一角を担っている存在だと分かってくる。3晩も付き合わされた相手だからこそ、余計にそう思えるのかもしれません。
夜の森でニワトリの声を聞くたび、あの空振りの記憶がちらつく。時計を読めるようになるまで、案外遠回りをしたものです。
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