ポッポは18で、ピジョンは36で
ポッポはレベル18でピジョンになる。ピジョンはレベル36でピジョットになる。
以上。検索して来た人の八割は、たぶんこの2行で用が済む。ブラウザを閉じてもらってかまわない。ただ、ここから先がちょっと面白いので、よかったら付き合ってほしい。
進化レベルはシリーズを通して同じ
赤緑の時代から、ファイアレッド・リーフグリーンでも、レジェンズZAでも、この18と36は変わっていない。三十年近く、同じ数字で回している。
ポケモンの世界の常識として、ここだけは動かない柱になっている。
ピジョンでいられるのは18レベル分だけ
で、気づいてほしい。ピジョンとして生きられるのは、レベル18から35まで。たった18レベル分。
しかもその18レベルは、ゲーム序盤から中盤にかけて、経験値がガンガン入る時期にすっぽり収まっている。育てていると、あっという間に飛び越えてしまう。
気づいたらピジョットになっている。ピジョンだった記憶が、ほとんど残らない。
ピジョンという、世界一使い捨てられている中間進化
生まれて数秒で博士のもとへ
ポケモンGOをやったことがある人なら、心当たりがあるはず。
ポッポマラソンをやると、手元に大量のピジョンが積み上がる。使わない。育てない。バトルにも出さない。
どうするか。博士に送る。
つまりポケモンGOにおけるピジョンは、経験値を発生させるために生成され、その数秒後に消される存在。生まれた瞬間に死亡が確定している中間進化。
送り返してもアメは1個
しかも、ピジョンを博士に送ってもらえるアメは1個。
ポッポを1匹捕まえたときのアメは3個。ピジョンに進化させるのに12個。そこから送り返して、返ってくるのが1個。
収支だけ見れば完全な赤字。それでも回すのは、経験値だけが目当てだから。ピジョンは通貨ですらない。副産物。
それでも図鑑の17番に座っている
大量生産、大量廃棄。それがピジョンの現実。
けれど図鑑には、ちゃんと17番として登録されている。翼を広げた姿も、鳴き声も、専用の図鑑テキストも用意されている。足の爪が発達していて、餌を掴んで100キロ先の巣まで運ぶ、という設定まである。
そんな設定を持った鳥が、日本中の公園のベンチで、今日も何百羽と送られている。世界観と運用の乖離が、ここまで激しいポケモンも珍しい。
ポッポマラソンの正体と、現在地
アメ12個という数字の意味
ポッポマラソンが成立した理由は、ひとえにこの12という数字。
ポケモンGOの進化コストは、25個や50個が当たり前。その中でポッポは12個。キャタピーとビードルも同じく12個で、この三羽烏ならぬ三匹が初期の主役だった。
そして、ポッポはどこにでもいた。歩けば出る。捕まえれば3個。ばらまきの効率が、頭ひとつ抜けていた。
30分で何匹進化できるのか
しあわせタマゴの効果は30分。その間、獲得経験値が2倍になる。
進化1回でもらえる経験値は1000。タマゴを割っていれば2000。
そして、30分のあいだに進化させられる数は、おおよそ70匹から90匹あたりが上限。1匹あたり20秒前後かかるので、物理的にそこで頭打ちになる。
85匹を進化させたいなら、アメは850個ほど必要。ポッポ1匹で3個、送って1個。ざっと計算すると、200匹を超える捕獲が要る。
数字にすると、なかなかの重労働。
いまは進化マラソンと呼ばれる
そして今。ポッポの出現率は昔ほど高くない。アメ12個で進化できるポケモンも増えた。
だからポッポにこだわる理由が薄れ、名前も進化マラソンへと変わりつつある。レベル上げの手段も増えたので、正直、昔ほど神格化されたテクニックではなくなった。
それでも名前だけはポッポマラソンとして残っている。あの鳥が、ポケモンGOの初期を背負っていた証拠みたいなもの。
アメが足りず、30分を溶かした夜
タマゴを割ってから気づいた
夏の終わり、駅前のベンチ。虫の声。スマホの残り電池、64パーセント。
ポッポを集めた。集めたつもりだった。頭の中では、たぶん30匹は進化できるだろうと踏んでいた。
しあわせタマゴを、パカッ。
タイマーが動き出す。ポチポチ、進化、演出、進化、演出。最初の10匹は気持ちよかった。数字が跳ねる。指が乗る。
12匹目で、手が止まった。
アメが、足りない。
熱くなるスマホと、減らない経験値
残り時間、21分。
慌てて周りのポッポを捕まえに立ち上がる。いない。夜のポケストップ周辺は静まり返っていて、湧いてくるのはコラッタばかり。走った。信号で止まった。スマホが手のひらの中で熱を持ってくる。指の腹が汗で滑って、タップが空振りする。
残り時間、9分。
結局、追加で進化できたのは4匹。しあわせタマゴは、ほぼ空焚きだった。
ベンチに戻って、座って、画面を見た。効果時間終了の表示。虫の声が急に大きく聞こえた。親指の付け根が、じんわり痛かった。
計算を、しなかった。それだけの話。
あの日以来、ぼくは進化マラソンをやる前に必ず紙に数字を書く。アナログすぎて笑われるけど、二度と同じ失敗はしていない(笑)
ZAとチャンピオンズでは、そもそも育てなくていい
さて、ここからは現行の本編の話。
ピジョンは野生で捕まる
レジェンズZAでは、ポッポはワイルドゾーン1と5に出る。序盤から行ける場所。
そして、ピジョンもワイルドゾーン5に出る。
つまり、ポッポを18まで育ててピジョンにする作業は、まるごと省略できる。図鑑埋めなら、なおさら育てる必要がない。
ピジョットのオヤブンが待っている
さらに言うと、ジョーヌ地区にはピジョットのオヤブンが確定で出る。高難易度の異次元でも、野生のピジョットが直接顔を出す。
最終進化を、捕まえて終わり。育成という工程が、まるごと消える。
序盤の草むらでポッポを捕まえ、こつこつレベルを上げてピジョットにする。あの様式美は、いま完全に趣味の領域に入っている。
メガシンカまでの最短ルート
ポケモンチャンピオンズでメガピジョットを使いたい、という人向けの近道もある。
ZA側でポッポをワイルドゾーン1で捕まえ、レベル36まで育てる。これがいちばん早くピジョットにたどり着く道とされている。そしてピジョットナイトは、フロンティアショップで2000VPと交換できる。
育てるか、捕まえるか。時間をどこに払うかの選択でしかない。
ピジョットは、踏み台の先でちゃんと強い
物理から特殊へ、役割が動いた
面白いのが、ピジョットの立ち位置が世代ごとに変わっていること。
ファイアレッドの頃は、素直な物理アタッカーだった。攻撃と素早さを伸ばす性格が推奨される、いわゆる殴る鳥。
ところが現行のZAでは、特殊アタッカーとして扱われている。推奨される性格はひかえめやおくびょう。技構成にも、ぼうふうやエアスラッシュ、ねっぷうが並ぶ。
同じポケモンなのに、育て方の答えが真逆になっている。序盤鳥のくせに、けっこう波乱の人生を送っている。
メガピジョットという解答
そして、メガシンカ。
ピジョットはメガピジョットになれる。序盤で拾える鳥に、この称号が与えられているという事実。バサッと翼を広げたあの姿を見て、ようやくこの系統の意味が分かった気がした。
18と36を越えた先に、ちゃんとご褒美が置いてある。
対戦でも名前を見かける
ポケモンGOのバトルリーグでも、ピジョットは普通に採用されている。カントー鳥のパーティを組むファンもいる。
序盤で無限に湧くあの鳥が、対戦の卓に座っている。ちょっと胸が熱くなる話だと思う。
それでも、最初の一羽は忘れられない
草むらから飛び出す最初の鳥
初代を遊んだ人なら、最初に捕まえた鳥がポッポだった、という記憶があるはず。
図鑑の空欄が埋まった瞬間の音。手持ちに増えた2匹目。特に強くもないのに、なんとなく最後まで連れていってしまった、あの妙な情。
序盤鳥は、プレイヤーが初めて自分の意思で仲間にする存在だったりする。物語の主役ではないのに、記憶にはしっかり残る。
置いていかれたピジョットの話
アニメでも、主人公が捕まえたポッポがピジョン、そしてピジョットへと進化していく。そのピジョットは、群れを守るために故郷へ残された。
そして、長いあいだ迎えに来てもらえなかった。
このことは、ファンのあいだで冗談まじりに語り継がれてきた。冗談にされるくらい、みんな覚えていたということでもある。踏み台の鳥のはずなのに。
ポッポとピジョンの扱い方、結論
育てるなら育てきる
レベル18と36。この2つの数字を越えれば、メガシンカまで届く鳥になる。
途中で放り出すのがいちばんもったいない。ピジョンのままパーティに置いておく理由は、正直ほとんどない。
手放すなら迷わない
逆に、育てないと決めたなら、割り切る。GOなら経験値に変え、本編なら図鑑だけ埋めて次へ行く。
ただ、一羽だけ。最初に捕まえたポッポだけは、ボックスの奥に残しておいてもいいんじゃないかと思っている。
いつか手が空いたときに、レベル36まで連れていってやればいい。あの鳥は、たぶんずっと待っている。
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