紫のオーラをまとった、犬の神様
カムイの魔笛【夜】。
アイテム欄では、その他カテゴリに分類されるアイテムです。装備でも素材でもない。
これを使うと、夜のカムイというマウントが仲間になります。
出どころは極ツクヨミ討滅戦
入手先は、紅蓮のリベレーターの極ツクヨミ討滅戦。
レベル70のコンテンツで、パッチ4.3の時期に実装されたものです。
宝箱から稀に出る。狙って確定で取れるものではありません。
捕まえるのではなく、呼ぶ
面白いのが、このアイテムが笛だということ。
倒して手綱を掴むわけでも、卵から育てるわけでもない。笛を吹いて、来てもらう。
カムイという言葉は神を意味します。つまりこれ、神様を呼ぶための道具なんですよ。
マウント習得アイテムの中でも、この立て付けはちょっと特別だと思っています。
ツクヨミ討滅戦は二種類ある
ノーマルでは出ない
まず前提の確認から。
ツクヨミ討滅戦のノーマルには、装備品のドロップがありません。当然、マウントの笛も出ない。
ストーリーの流れで一度クリアしただけの人は、そのまま極へ進んでください。
極の宝箱に入っていることがある
極ツクヨミ討滅戦では、装備品に加えてオーケストリオン譜、そしてマウント習得アイテムが手に入る可能性があります。
可能性、です。
必ず宝箱に入っているわけではない。そして入っていたとしても、そこから先がもうひと山あります。
パーティメンバー全員でのロット勝負。
四人なり八人なりで、ひとつの笛を取り合う。
ロットで負けた夜の話
何周しても出なかった
僕がこのマウントを追いかけていたときの話をします。
マウント目的の募集に入って、極ツクヨミへ。ギミックは覚えていたので、戦闘そのものは問題ない。
倒す。宝箱を開ける。装備が出る。譜が出る。
笛は出ない。
二周、三周、五周。だんだん無言になっていく。作業として手は動いているのに、開くたびに落胆が積み上がっていく。
(今日はもういいかな)
そう思い始めた何周目かで、宝箱の中に見慣れない行が並びました。
数字が転がる数秒
カムイの魔笛【夜】。
心臓がどくんと鳴りました。慌ててロットを宣言する。
そして数字が転がる。ころころ、と全員ぶんの数字が順に出ていく。
僕の数字は、そこそこ大きかった。いける、と思いました。前のめりになって画面を凝視する。
最後に出た数字が、僕より上でした。
背中の力が、すとんと抜けた。
おめでとうございますと打ちながら、口の中が乾いているのに気づきました。
負けたことより、あの数秒に完全に飲まれていた自分が恥ずかしかった。落ち着いた顔でチャットを打っている僕は、たぶん実際にはかなり必死な顔をしていたはずです。
二度目に手が湿った
そのあと、また何周かしました。
そしてもう一度、宝箱にあの名前が並んだ。
今度はロットのボタンを押す指が、明らかに湿っていました。マウスに指紋がつくのが分かる。
ころころ。
勝ちました。
椅子の背にもたれて、しばらく天井を見ていました。ぐっと拳を握るとか、そういう分かりやすい動きは出なかった。ただ、肩がじんわり熱かった。
たった一匹の犬を呼ぶために、僕は何時間ツクヨミと戦ったんだろう。
夜のカムイという生き物
放棄された施設に棲んでいた狼
手に入れてから、説明文を読みました。
要約すると、こうです。夜神ツクヨミの加護を受け、月光の力をまとった大狼。もともとは放棄された帝国軍施設をねぐらにしていた野生の狼で、夜神のエーテルを浴びたことで生まれたと考えられている。
野良の狼です。
もとから神獣だったわけではない。廃墟に住み着いていた獣が、こぼれ落ちた力を浴びて変質した。
蛮神という存在の副産物として生まれた命。そう考えると、この犬の背負っているものが少し重くなる。
金色の隈取と、青い目
見た目についても触れておきます。
紫のオーラをまとった、鋭い顔つきの大きな犬。地の色は黒寄りの濃い紫で、そこに金色の縞が走る。
顎の下から腹、そして足にかけては白い。鼻先は黒。瞳は明るい青。
そして目から後ろへ向かって、隈取のような金色の模様が伸びています。
歌舞伎の隈取。夜神の眷属に、日本の舞台化粧を思わせる線が入っている。紅蓮期の東方エリアらしいデザインです。
犬は全部で七匹いる
豪、美、龍、白、夜、朱、青
さて、ここからが本題かもしれません。
カムイの魔笛は、夜だけではありません。
豪、美、龍、白、夜、朱、青。
七種類あります。それぞれ別の極討滅戦から出る。青のカムイは極青龍征魂戦、朱のカムイは極朱雀征魂戦、といった具合。
つまり、夜のカムイが欲しくてここに来た人は、七匹シリーズの入口に立っているわけです。
僕もそうでした。紫の犬がかっこいいという、それだけの理由で極ツクヨミに通っていた。
揃えた先にいるのは犬ではない
そして七匹すべてを揃えると、追加でもう一匹が手に入ります。
九尾のカムイ。
犬を七匹集めた報酬が、狐。
この設計を知ったとき、思わず声が出ました。(そっちに行くのか)
一匹だけでいいと思っていた人ほど、この事実を知った瞬間に足を止められる。あと六匹。極討滅戦を六種類ぶん周回する旅が、そこから始まります。
九尾を受け取るまでの手順
クガネのかわら版売り
九尾の受け取り方も書いておきます。
クエスト名は、九尾、現世に舞い降りん。
受注場所はクガネ。座標はX11.6のY9.9あたり。NPCはかわら版売りです。
条件は、豪、美、龍、白、夜、朱、青のカムイをすべて修得していること。つまり4.x期の極マウントを全部揃えること。
クリア報酬が、カムイの魔笛【九尾】。
揃わないとNPCが現れない
ここで注意点。
七匹すべてを揃えていないと、このNPCはそもそも出現しません。
クガネへ行って、いないぞ、と困っている人がときどきいます。いないのが正常です。まだ条件を満たしていないだけ。
先に受注しておくことはできない。全部集め終えたあとで、初めて姿を見せる。
なかなか意地の悪い作りでしょ。
周回はついでを積み上げる
アチーブメントと同時に進む
七つも周回するとなると、気が遠くなります。
そこで考え方を変える。
紅蓮期の極討滅戦は、現在の装備なら高速で回せます。そして周回そのものに、別の意味を持たせることもできる。
たとえばタンクで参加すれば、討伐系のアチーブメント回数が同時に進む。あれは必要回数がかなり多いので、マウントが出ない日でも何かが積み上がっている状態を作れます。
無駄になる周回をゼロにする。この設計をしておくと、心が折れにくい。
武器も譜も落ちる
報酬も笛だけではありません。
極ツクヨミからは装備品やオーケストリオン譜も出ます。暗黒騎士の武器である月読命大太刀【輝】もこのコンテンツ絡み。
ミラージュプリズム用の見た目を集める目的で通っている人もいるくらいです。
そして極ツクヨミには幻の討滅戦も存在します。装備が固定される特殊なバージョンで、当時の緊張感をそのまま味わえる。腕試しをしたい人はそちらもどうぞ。
乗ると鳴る、あの曲
最後に、このマウントで一番好きなところを。
騎乗すると、ツクヨミ戦の曲が流れます。しかも戦闘後半の、転調したあとのほう。
これがずるい。
あの曲を聞くと、何周も通った記憶がまるごと戻ってくるんですよ。ロットで負けた夜も、勝った夜も。
普通、報酬というのは戦いが終わったあとに残る品物です。
でもこのマウントは、戦いの音を連れてくる。乗るたびに、あの夜に引き戻される。
放棄された施設に棲んでいた一匹の狼が、こぼれた神の力を浴びて別の生き物になった。その犬を呼ぶ笛を、僕は何時間もかけて手に入れた。
紫のオーラをまとった背中に乗って、曲が鳴り始める。
切ないと感じる人が多いのも、たぶんそういう理由です。
七匹のうち、まだ何匹残っているでしょうか。狐が待っています。
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