探しても見つからないのは、当たり前
一般販売されたことがない
RGのストライクルージュは、一般流通していない。
品切れでも、生産終了でもない。そもそも、店頭に並ぶ商品として出たことがない。
ここを知らないまま、在庫復活を待ち続けている人が一定数いる。私も三ヶ月ほど、その一人だった。
手に入る道はふたつ
現実的な入手経路は、限定品。しかも、ふたつしかない。
ガンダムベース限定の、ストライクルージュ グランドスラム装備型。
プレミアムバンダイ限定の、ストライクルージュとHGのI.W.S.P.のセット。
このどちらか。あとは、過去にガンプラEXPO限定で出た版を中古で探すか。
中身はエールストライクの色替え
そして、身も蓋もない事実。
RGルージュの本体は、RGエールストライクガンダムの色替え。ランナーの成形色が白ではなく、薄いピンクになっている。そこにカガリのパーソナルマークなどのマーキングが追加されている。
つまり、良いところも悪いところも、そのまま引き継いでいる。ここが今日いちばん伝えたい部分。
グランドスラム装備型という選択肢
ガンダムベース限定
2021年に出た、ガンダムベース限定品。
内容としては、以前のEXPO限定版のルージュに、グランドスラムという大剣を足したもの。
メッキの大剣が付いてくる
このグランドスラム、機体の身長ほどもある実体剣。過去にはPGのストライクガンダムなどに付いていた、ガンプラオリジナルの武装。
それがRGの精度で立体化され、メッキ加工までされている。箱を開けて銀色に光る刀身を見た瞬間の高揚感は、なかなかのもの。
エールストライカーを付けたときのグリップから、手持ち用のダボが付いたグリップに交換する構造になっている。
デカールでルージュになる
そして、ルージュを象徴するデカール類。
RGのリアリスティックデカールは量が多くて、正直しんどい。目元のデカールについては、フチ取りだけのものを貼るのが公式のおすすめとして紹介されている。全部貼ろうとして目玉が濁ると、悲しい。
ペタッ、ペタッと貼り進めるうちに、白いストライクが、確かにカガリの機体になっていく。この工程だけは、代えがきかない楽しさがある。
I.W.S.P.同梱版という選択肢
プレミアムバンダイ限定
もうひとつが、プレバン限定のI.W.S.P.セット。
エールストライカーではなく、別のストライカーパックを背負わせたい人向け。
映像に出なかった統合兵装
I.W.S.P.は、統合兵装ストライカーパックの略。エールの機動性、ソードの格闘力、ランチャーの火力を、ひとつに束ねる目的で開発された装備。
SEEDのMSVに登場する設定で、映像作品には出てこない。設定だけで存在している装備が立体化されている、というのがなんとも模型的な話。
注意点として、このI.W.S.P.部分はHGのキット。RGとHGの混成になっている。
説明書はストライクのまま
そして、地味に笑うポイント。
同梱の説明書は、ストライクガンダムのものがそのまま入っている。I.W.S.P.のぶんだけ、別冊が追加されている。
プレバンらしく、パッケージも一色刷り。派手な箱絵はない。この素っ気なさも含めて、限定品というやつは面白い。
このキットが抱えている持病
さて、ここからが本題。
RGエールストライクは、2011年に出たRGシリーズ第3弾。初期RGの宿命を、まるごと背負っている。
自立しない
エールストライカーの重み。背中にあれを背負わせると、機体が後ろにのけぞる。足が開く。立てない。
足を揃えて少し前かがみにすれば、なんとか立つ。でも、ポーズとしてはかっこ悪い。
ライフルが持てない
高エネルギービームライフルと、可動指の手首パーツ。この相性が、とにかく悪い。
グリップの凸軸を、手のひらの凹穴に差し込んで保持する構造になっている。この位置合わせが、異様に難しい。
そして、やっと持たせても、何かにぶつかった瞬間に外れる。
足の付け根は組み方では直せない
いちばん厄介なのがこれ。
足の付け根のジョイントがユルい。だから下半身が安定しない。
そしてこの部分は、アドヴァンスドMSジョイントという半完成品のパーツ。つまり、丁寧に組めば直る、という話ではない。構造としてそうなっている。
RGの売りである内部フレームが、そのまま弱点にもなっている。皮肉な話。
三分間、ライフルを持たせられなかった夜
指先が滑る
デスクライトの下、私はライフルを持たせようとしていた。
軸を穴に。合わない。角度を変える。合わない。指の力を抜く。滑る。
一分。二分。三分。
肩に力が入っているのに気づいて、いったん手を離した。息を吐いた。もう一度。
カチッと入った。手のひらに収まった。よし、と思って机の上を移動させたら、ライフルが落ちた。
床を四つん這いで探した
ポロッ、と乾いた音。
床。フローリング。ライフルの、細い部品。
四つん這いになって、机の下に頭を突っ込む。ライトを当てる。ない。もう少し奥。
見つけたときには、膝が痛くなっていた。
ガンプラで四つん這いになるのは、これが初めてじゃない。でも、その日はさすがに天を仰いだ。RG、恐るべし。
それでも、RGを選ぶ理由はある
ここまで散々に書いたけれど、このキットには確かな価値がある。
色分けと、腰のナイフ
まず、色分け。パーツ分割による色の再現度は、さすがRG。HG版ではシールで補っていた部分が、きちんとパーツで割られている。
そして、アーマーシュナイダー。腰の側面から、コンバットナイフを引き抜ける収納ギミックが仕込まれている。
このギミックのためだけに買う価値がある、と言う人がいる。気持ちは、分かる。
装甲にはパネルラインが最初から刻まれている。スジ彫りの技術がなくても、密度のある表面が手に入る。
限定装備という一点
そして、限定品にしか付いてこない装備。メッキのグランドスラム。設定だけの統合兵装。
一般販売のキットでは、絶対に手に入らないもの。この一点は、他のどのグレードでも埋められない。
なお、別売りのRGスカイグラスパーのランチャーパックとソードパックにも対応している。遊びの幅は、実は広い。
ピンクのストライクが欲しいだけなら
ここで、正直な整理をしておきたい。
HGCEという正解
もしあなたの動機が、カガリのピンクのストライクを飾りたい、というだけなら。
HGCEのストライクルージュを勧める。
2014年発売。HGCEエールストライクの色替えに、カガリのマーキングシールが付いた内容。ポリキャップを使っていて、組みやすく、可動域も広い。
そしてなにより、RGの弱点だった自立性と武器の保持力が、きちんと解消されている。プロポーションも洗練されている。
弱点はある。ストライカーパックの羽の赤い部分はシールで補う。頭のトサカまわりに合わせ目が出る。アンテナ中央の赤い部品は外れやすい。
でも、床を四つん這いで這うことにはならない。
エントリーグレードという速さ
さらに手軽に行くなら、エントリーグレードのストライクルージュ。2025年発売。
工具がなくても組める。色分けもされている。
RG、HGCE、エントリーグレード。この三つで、ピンクの色合いは微妙に違う。並べて見比べる楽しみもある。
持病と付き合うためのひと手間
保持力を補強する
RGを選んだ人へ。
関節の保持力は、補強のひと手間をかけることで、かなり軽減できるという報告が多い。
パチン、とニッパーを入れる前に、どこを補強するか決めておく。組みながら考えると、後戻りが面倒になる。
ツインアイを光らせる加工まで踏み込む人もいる。ここまで来ると、もうキットの弱点を潰す作業ではなく、自分の作品を作る作業になっている。
立たせるのを、諦めるという手
それから、いちばん平和な解決策。
自立を諦めて、スタンドに乗せる。
飛んでいるポーズにしてしまえば、足が開こうが、のけぞろうが、関係ない。むしろエールストライカーを背負って空を駆けるほうが、この機体らしい。
戦えない機体を、無理に立たせなくていい。カガリの機体は、たしか最後は戦うためではなく、飛ぶためにあった気がする。
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